【監督】 シドニー・ルメット
【出演】 アルバート・フィニー,アンソニー・パーキンス,ショーン・コネリー,イングリッド・バーグマン
【公開】 1974年 英 128分
【受賞】 第47回アカデミー賞 助演女優賞、英国アカデミー賞 助演男優賞・助演女優賞・アンソニー・アスキス賞
【ジャンル】 サスペンス
あらすじ
トルコのイスタンブールで事件を解決した私立探偵エルキュール・ポアロは、新しい事件のため、アジアとヨーロッパを結ぶ豪華な大陸横断国際列車オリエント急行を利用し、ロンドンに向かうことになった。3日間の列車の旅となったが、そんなポアロは列車の中で、事件に遭遇するのだった。
2日目の深夜、列車は雪のため立往生してしまう。その時ポワロは隣から、人の呻き声を聞いたような気がした。翌朝になっても列車は止まったままだった。そしてポアロの隣り部屋からアメリカ人の億万長者ラチェットの死体が発見された。
事件の捜査を依頼されたポアロは、まず乗り合わせていた医師に検死を頼む。その結果、ラチェットは合計で12回刺されている事がわかった。さらに状況証拠から推測するに、ラチェットは深夜1時半頃に殺されたと判断された。それは列車が停車した時間よりも前である事、積雪に犯人が逃亡した跡がなかった事、一等車から他の車両へのドアには鍵が掛けられていた事から、ポアロは一等車の乗客の中に犯人がいる可能性が高いと推測した。こうして尋問が開始されると、ラチェット自身の事がわかってきた。
実はラチェットは、カッセッティと呼ばれるマフィアのボスだったのだ。数年前、カッセッティとその仲間は、アメリカに移住した裕福なイギリス人のアームストロング大佐の赤ん坊デイジーを誘拐。身代金が要求され、支払われた後に赤ん坊は死体で発見された。新たに子供を妊娠していたアームストロング夫人であったが、出産の際に子供と共に亡くなり、ショックのあまりアームストロング大佐も自殺。犯人の一味と誤解されたメイドも自殺していた。そしてカッセッティは国外逃亡して罪を免れていた。つまり殺されてもおかしくない様な悪人ではあったが、このまま殺人犯を見逃すわけにもいかない。ポアロは真相を探り続け、意外な答えを導き出すのだった。
レビュー
さすが、ミステリーの女王アガサ・クリスティといった感じ。あっと驚く、事件の結末・真相が待っている。名優が数多く出演し豪華な顔ぶれであると同時に、一等客室を舞台にしているだけに、貴賓溢れる作品になっているのだが、その中で唯一主人公のポアロだけが、なんだか滑稽な役回りと容姿であるのが面白い。しかし鋭い洞察力で事件を紐解いていく様は、さすがにかっこいい。
好きなシーンはオリエント急行が出発するシーンだ。青いライトがパッとつき、まるでこれからの物語の行く末を照らすようであり、ゆっくりとまた優雅に動き出していく列車を、必要以上に長く描いているのが、非常に印象的だった。
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