【監督】 ジェームズ・アイヴォリー
【出演】 アンソニー・ホプキンス,エマ・トンプソン,クリストファー・リーブ,ジェームズ・フォックス,ヒュー・グラント
【公開】 1993年 英・米 134分
【受賞】 アカデミー賞8部門ノミネート
【ジャンル】 恋愛
あらすじ
1938年。オックスフォードのダーリントンの屋敷で執事をしているスティーヴンスは、勝気で率直なケントンをホールの女中頭として雇い入れる。ダーリントン卿は、第一次大戦後のドイツ復興の援助に力を注いでいた。しかしダーリントン卿は反ユダヤ主義に傾き、ユダヤ人の女中たちを解雇してしまう。当惑しながらも主人への忠誠心からスティーヴンはそれに従うが、ケントンはダーリントン卿に激しく抗議した。それから数年して、ダーリントン卿はユダヤ人を解雇したことを後悔し、彼女たちを呼び戻すよう、スティーヴンスに命令する。彼は喜びを見せるが、ケントンは初めて彼がこの件で心を痛めていた事を知り、彼に対しての好意が増す。ケントンはスティーヴンスへの思いを密かに募らせていたが、彼はそれを見て見ぬふりをし続ける。あくまでも執事として仕事上の関係を望む。ある日スティーヴンスが読んでいる本を見せて欲しいと頼むが彼が拒むので、無理やり本を確かめると、それは「恋愛小説」だった。彼は教養を養うために色々な本を読んでいると言うが、2人の関係が縮まっているかに見えた。しかしある日、屋敷で働くベンからケントンはプロポーズをされてしまうのだった。
レビュー
【ネタバレ】 ジャンルを「恋愛」と、簡単にはくくれない時代背景や思想が絡んでいる。とはいえ、この映画は老人と中年女性の愛を描いている。戦時中であり、古い価値観などが邪魔して結局結ばれない2人。富豪の屋敷の中で起こる、召使同士の恋愛。ただ、それだけじゃない。女の気持ちをわかっていながら、それに答えない男。おそらく奥手なのだろうが、仕事上の関係を優先するという、古い価値観なのかプライドなのか。そのせいで好きである女性をみすみす逃してしまう事になる。20年後に再開するが、ずっと思い続けていたのだろう。たまに叶わぬ恋に対して、人生を費やすという物語があったりする。僕の年齢ではちょっと考えにくいのだが、以前アメリカの墓地に行った時に、一人の老婦人が夫のお墓に向かって、話しかけているのを見かけた事があった。「ハイ、ダーリン」と言って、きっと近況報告をしていたのだと思う。なんかいいなあと思ってしまった。なんか誠実に生きたいなと思った。
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