『理由なき反抗』

2013/08/15

【監督】　ニコラス・レイ
【出演】　ジェームズ・ディーン,ナタリー・ウッド,サル・ミネオ,デニス・ホッパー
【公開】　1955年　米　111分
【ジャンル】　青春映画

あらすじ

17歳の少年ジムは行く先々でトラブルを起こす問題児だった。新たな学校での初登校の日、不良グループの反感を買ったジムは、ボス格であるバズにケンカを売られ、ナイフを手に決闘を行うが、決着は付かず、その夜のチキンレースに持ち越される。郊外の高台で落ち合った彼らは、度胸試しである崖に向かって車を走らせるという危険なレースを行う。ジムとバズはフルスピードで車を走らせ、ジムは間一髪のところで車から脱出するが、バズはそのまま谷底へ。
家に戻ったジムは家族の事の顛末を告げ、警察に行こうとするが、彼の両親はそれを許さなかった。自分だけが責任をかぶる必要はないと。親への失望感を抱えたジムは結局警察に向かう。しかし信頼していた警官は不在だった。

レビュー

若者の青春時代を描いたこの作品は、「エデンの東」と同じように、親子関係をテーマとして描いている。この物語に登場する主要３人はそれぞれが親子関係での悩みを抱えている。親子と言えど、考え方の違いがあって当然で、しかも反抗期にある主人公ジムにとっては、頼りない弱さを見せる父は、反抗の対象でしかない。たしかに反抗期には、何に対しての怒りなのか分からないが、親に対して反発心が芽生える。かまって欲しくないと思う一方で、愛情に恵まれない事で精神をゆがめてしまったりもする。とてもナイーブな時期なのだ。

そう考えると子育てとは本当に難しい微妙なものだ。大人にとってはちょっとした事でも、子供にとってはそれは大きな問題だったりするからだ。それはその人の立場になってみなければ分かりえない事でもあり、それはいつの時代でも変わらない親子間のテーマだ。親子間だけでなく、人と人が関係していく中で、相手を理解していくという意味では永遠のテーマでもある。