『恋人までの距離』

2013/12/11

【監督】　リチャード・リンクレイター
【出演】　イーサン・ホーク,ジュリー・デルピー
【公開】　1995年　米・オーストリア・スイス　105分
【受賞】　ベルリン国際映画祭監督賞
【ジャンル】　恋愛

その出会いは永遠かも。さあ途中下車しよう！

あらすじ

ヨーロッパの長距離列車の中で出会ったアメリカ人学生ジェシーと、フランス人女学生セリーヌ。彼女はパリに帰る途中で、彼は明日アメリカ行きの飛行機に乗る予定だった。２人はすぐに意気投合した。ジェシーはウィーンで一晩を過ごす予定だったが、つきあってくれないかと誘う。なんとなく惹かれていた彼女は了承して、一緒に下車する事にする。

夕方のウィーンをぶらぶらと歩きながら、二人はお互いの事を色々と語っていく。そして大観覧車に乗って夕陽を見ながら、初めてのキスを交わした。その後も食事をしたり、占い師にあったり、バーに行ったりしながら話しを重ねていった。

わかったのは、ジェシーは恋人にふられて傷心旅行中である事、セリーヌも半年前に年上の恋人に傷つけられた過去がある事だった。お互いの相手への気持ちを確認しつつも、アメリカとヨーロッパと別々に暮らす彼らは、困惑する。

そして芝生の上で朝を迎える。彼らはもう二度と会わないと誓いを立てていた。しかしセリーヌがパリ行きの列車に乗り込んだ時、ジェシーはそれを撤回し、半年後にまたここで会おうと言うのだった。

レビュー

とにかく何にも中身のない映画。なのに本当面白いし、どきどきする。たまたま列車の中で出会った二人が、途中下車して町をおしゃべりしながら、ぶらぶらする、ただそれだけの映画だ。でもウィーンの町は美しく、彼らの語る話もまた美しかった。これまでの人生やこれからの話をしながら、やがてお互いを理解していくというストーリー。

青春時代、時間を忘れて話し込んでしまうような、そんなゆっくりとした時間が、この２人にもある。誰にでも経験があるんじゃないかと思う。学校帰りに時間を忘れて話し込んだ公園とか、夜遅くまでレストランでくっちゃべっていた頃。この作品の２人も別に恋をする事だけが目的ではなくて、純粋に会話を楽しんでる。そんな羨ましい時間が流れている。