【監督】 パトリス・ルコント
【出演】 ジャン・ロシュフォール,アンナ・ガリエナ
【公開】 1990年 仏 82分
【受賞】 英国アカデミー賞(1992年)外国語映画賞
【ジャンル】 恋愛
人は一生、恋い焦がれ、恋に溺れている。
あらすじ
海岸沿いの家に住む少年アントワーヌは、床屋に行くのが大好きだった。なぜならその店にはふっくらとした美人のシェーファー夫人がいて、彼女が髪に触れる手触りや、彼女の体臭にうっとりしていたからだ。ある日、白衣の隙間から見える夫人の胸に見入ってしまった少年は、興奮して何も手につかず、「女の床屋さんと結婚する!」と宣言する。驚いた父に彼は殴られる。しかし彼の決心は固いものだった。
それから時が流れ、大人になったアントワーヌは、一軒の床屋で美しい女マチルドを見かける。店に入り、散髪の途中で唐突に「結婚してくれ」と懇願する。彼女は聞こえなかったようにそれを流し、彼を見送る。
再び店を訪れたアントワーヌにマチルドは「あなたの妻になります」と返事をする。彼の夢は叶った。ささやかな結婚式をあげ、2人は一緒に暮し始める。アントワーヌには何もいらなかった、彼女と床屋があれば。そして幸せで平穏な10年が過ぎた。
マチルドは「ひとつだけ約束して。愛してるふりは絶対しないで」と言い、ある雷雨の日、客のいない店の中で愛を交した後、マチルドは買い物に行くと、雨の中に飛び出していってしまうのだった。
レビュー
物語は子供時代と現在を行き来しながら進行していく。少年時代の映像が、すごくみずみずしく描かれているのと、妻マチルドとの幸せな時間、それらがまるで青春が続いているかのように描かれている。時々大人になった主人公アントワーヌの視線は、子供の視線へとフラッシュバックしていく。それはつまり、体は成長したけど、心は少年の日のままだという事をあらわしている。
それに対して、女は「青春はいつかは終るもの」と考えているのだろう。だからいつかはこの人も心変わりしてしまう時がやってくると、だから幸せなままで終りたいと思っているのかもしれない。ここで描かれている男女間のギャップは精神年齢差だ。明らかに男の方が実年齢は年上だけど、精神年齢は少年のままであるのに対して、妻はしっかり大人だったのだ。
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