【監督】 オーソン・ウェルズ
【出演】 オーソン・ウェルズ,ジョセフ・コットン,ドロシー・カミンゴア
【公開】 1941年 米 119分
【受賞】 アカデミー賞 脚本賞
【ジャンル】 人間ドラマ
あらすじ
暗く荒廃した大邸宅、屋敷の主、新聞王だったケーンが死の間際に「バラのつぼみ」という謎の言葉を残してこの世を去る。彼の生涯をまとめたニュース映画の試写を見た経営者は不満を持ち、彼の最後の言葉の意味を知るべく、編集のトムスンが調査を始める。
ケーンが幼い頃、母親は宿泊費のかたにとった金鉱の権利書から大金持ちになる。その財産の管理と教育のためケーンは両親から遠くは離れたニューヨークで育つ事になる。青年になったケーンはかねてから興味のあった新聞経営に友人のバーンステインとリーランドの協力を得て乗り出す事になる。破産寸前のインクワイアラー紙を買い取り、これを見事立て直しただけでなく、読者を楽しませる記事で売り上げを伸ばし、大富豪へと上り詰まる。さらに彼の権力が強まっていくなかで、彼は大統領の姪と結婚し、知事そして大統領を目指していく。しかし知事選の数日前に、愛人とのスキャンダルをすっぱ抜かれ落選。さらに妻にも逃げられるという、痛手を負ってしまう。そこから彼は人生を転がり落ちていく。
妻を失った事で、愛人にのめり込むケーンは、彼女のためにオペラ劇場を建設し、自分の新聞大々的に宣伝していく。しかし世間の目は冷たく、それは逆に彼女を苦しめるに至り、自殺未遂を招く。そして愛人もまた彼の元を去っていった。そしてケーンは孤独の中で最後を迎える。結局「バラのつぼみ」のなぞはわからずじまいなのだが。。。
レビュー
映画史上最高傑作と評されている「市民ケーン」。当時の映画技法にはなかった斬新な手法が数々生み出され、またその脚本も高く評価されている。とにかく1カット1カットがすごく丁寧に作られている作品で、何度も見直した。当時は映像の仕事をしたいなあと思っていた時期でもあったので。人物の感情を表すのにどのアングルが最適なのかとか、すごく綿密に仕上げられているのを感じだ。
脚本も素晴らしかった。「バラのつぼみ」のなぞを追っているお話なのだが、それは最後までわからない。そしてラストカットでその正体はわかるが、その意味までは語られずに終る。最後がまたしびれた。つまりはドラマ全体がケーンの回想であり、そのなぞもまた回想の一部なのだ。
監督のオーソン・ウィルズは、この作品意外あまりぱっとしないが、役者としては素晴らしい作品をかなり残している。中でも有名な「第三の男」は印象に強く残っている。この作品でも主演だけど、その表情の作り方がすごくうまいと思う。ちなみのストーリーのモデルは実在の新聞王ウィリアム・ランドルフ・ハースト。
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