【監督】 チャン・イーモウ
【出演】 コン・リー,レイ・ラオション,ユイ・シアオチュン
【公開】 1992年 中・香港 101分
【受賞】 1992年ヴェネツィア国際映画祭 金獅子賞・主演女優賞
【ジャンル】 人間ドラマ
あらすじ
農村部でつつましく暮らす秋菊。ある日、秋菊の夫が村長との些細なトラブルから股間を蹴られて、怪我をしてしまう。決して謝らろうとしない村長の態度に、頭にきた秋菊は郡の役場に訴えに行く。そこで役人からは賠償金を払う和解案を示めされるが、村長は金は支払うものの、謝ろうとはせず、反省の態度はない。
これに納得できない秋菊は、今度は市の役所に訴えに出かける。しかし審理の結果は変わらない。納得のいかない秋菊は今度は県の役所へと向かう。
彼女はただ村長に謝ってほしいだけだったのだが。話はどんどん大きくなっていてしまう。。。
レビュー
これまでのチャン・イーモウ作品とはうってかわって、社会派のドキュメンタリーに近い要素で描かれている。役所でのやり取りなんかは、本当ドキュメントタッチだ。事実、この作品の主要4名以外の役者は、現地の素人を起用したそうだ。とてもこの作品からは、CGバリバリの「HERO」が、同じ監督から生まれてくるとは思えない。
何よりもびっくりしたのは、コン・リーの演技だ。これまでどちらかと言えば、強気ですました感じの役が大半だった。しかしこの作品で、コン・リーは田舎のずんぐりむっくりな主婦を演じている。そのしぐさや喋りが、まるでこれまでと違う。なぜ、この主人公にコン・リーを採用したのか。主人公はどこにでもいそうな女性ではあるが、芯の強さは持っていて、その一点だけを表現するために起用したんだと思う。静かな中にも、うちに秘めた強さみたいなものを。まあ監督と当時は付き合っていたというのも大きいだろうけどね。
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