『天国の日々』

2013/12/28

【監督】　テレンス・マリック
【出演】　リチャード・ギア,ブルック・アダムス,サム・シェパード,リンダ・マンズ,
【公開】　1978年　米　95分
【受賞】　1978年アカデミー賞撮影賞、1979年カンヌ国際映画祭監督賞
【ジャンル】　恋愛・青春

これ以上綺麗な映像を見た事がない。

予告編

あらすじ

第一次世界大戦が始まった頃、リンダと兄のビル、そして兄の恋人アビーは、ある農場の麦刈り作業員として雇われた。面倒だからという理由で、ビルはアビーを妹として紹介する。ある日、ビルたちは農場主であるチャックが余命1年である事を知る。チャックはアビーに心惹かれており、刈入れが終る時期になって、チャックはアビーに求婚する。ビルはこれを利用し、どうせ長くない命だからと考え、アビーを説得しチャックと結婚させる。チャックの妻の兄である事で、ビル達は毎日遊んで暮らすようになり、それは夢のような日々を送った。

しかしチャックは、妻とビルの関係を怪しく思っていた。ある日ビルとアビーがキスしている所を目撃した事で、それは確信に変わる。それを察したビルは農場を立ち去る。時が流れ、再び刈入れの季節がやって来て、ビリーも戻って来る。しかしそれは因縁の対決を意味していた。

レビュー

とにかく映像表現の最高峰に位置するのが、この映画だ。どの場面も芸術的に美しく、また人の愚かさを示した脚本も素晴らしい。もし映画を一本だけ宇宙人に紹介するとしたら、この映画にしたいと思う。地球の美しさと、人間の愚かさを伝えるために。

この映画では、夕暮れ時のシーンは全て「マジック・アワー（魔法の時間）」と呼ばれる時間帯に撮影されている。マジック・アワーとは、日が沈んでから完全に真っ暗になる夜までの約20分ほどの時間の事。日が沈み、太陽からわずかに漏れる光を利用した時間帯で、柔らかな光を持っているのが特徴。それによって画面を美しく見せる事ができる。こうした特殊な撮影法を用いる事で、本当に美しい場面が映画を構成している。