【監督】 レオス・カラックス
【出演】 ドニ・ラヴァン,ジュリエット・ビノシュ
【公開】 1991年 仏 125分
【受賞】 ヨーロッパ映画賞女優賞
【ジャンル】 青春映画
『これぞ映画だ』と思わせる最高の映画。
あらすじ
アレックス三部作の最終章。ホームレスとして生きるアレックスと、眼の病を患った画家生であるミシェルがポンヌフ橋で出会う。これまで天涯孤独に生きてきて、他人とのふれあいのなかったアレックス。そして失明の不安におびえるミシェル。次第に愛情にも似た感情が2人の中に芽生えだす。人は一人では生きていけない、そんな「愛」をテーマにした作品。
レビュー
とにかく衝撃的だった。これまで映画でここまでの衝撃を受けた事はないかもしれない。作品が持つパワーが半端ない。どのシーンも忘れられない印象的なものばかり。銅像に乗ってピストルを撃ちまくるカット(カメラワークもすごい)。町中花火が上がっているシーン。地下道のポスター全部に火を付けているカット。とにかくどのシーンも力強い。
映像の持つ美術的要素、ストーりー、音、思想、それらすべてが完璧にミックスした、こういうのがきっと映画と呼ばれるものなんだという気がする。カラックス監督ですら、もう二度とこの作品を超える事はできないような、時代が生んだ大作。きっとこの瞬間にしか作れなかったであろう、いろいろな要素が一致してできた奇跡の一作。こういう1本は、何作もできるもんじゃない。稀に、黒澤明やスピルバーグのように長年に渡って傑作を作れる人もいるけど。監督の年齢や製作環境とか、役者のめぐり合わせとか、色々な要素が重なって始めて生まれる傑作だと思う。それぐらいの傑作。この作品はカラックスの中でもストーリーも追って見ることができるので、誰でも見て楽しめます。とにかく観た事ない人がいたら、これは絶対にオススメです。
どのシーンも、すべてがみどころ。特にタイトルにもある「橋」のシーンはどれも素晴らしい。この作品のためにわざわざ実際に橋を作ってしまっているので、橋の上で何でも自由にやっちゃってる感じ。とにかく全編に渡って、思いっきりやりたい事をやっている、表現のすべてがつまっていると思う。ちなみに、当時のフランス史上最高額の製作予算と3年の歳月を費やして完成した作品。
売り上げランキング: 31,598

![ポンヌフの恋人 <HDリマスター版> [DVD]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/512wYL0-RhL._SL160_.jpg)

