『デカローグ』

2013/12/26

【監督】　クシシュトフ・キェシロフスキ
【公開】　1988年　ポーランド　567分（全10話）
【ジャンル】　人間ドラマ

昨日までの自分を脱ぎ捨てたくなる映画。学校教科書に載せるべき映画。

本編第一部（英語字幕）

これは、１本が約60分の物語で、計10篇のドラマから構成されたテレビ作品です。本作は最高視聴率62％を記録し、その完成度の高さから他国では劇場公開された作品でもあります。パリで96週ものロングランとなったそうです。

作品は聖書の「モーゼの十戒」をモチーフに、様々な愛の形が描かれています。舞台はワルシャワ市内の寂れた団地。その団地を舞台に出会うはずのない人々が一時出会い、すれ違い、別れ、または結ばれていく、静かに人間模様を見つめた作品です。そこには、人間が持つ感情、喜びや悲しみ、切なさ、可笑しさ、希望、それらが入り混じって様々な形の“愛”が映し出されていきます。

一見、「モーゼの十戒」と聞くと難しいそうに聞こえますが、ストーリーはいたってシンプルです。そしてメッセージ性が強く、ダイレクトに伝わってくる作品です。僕は是非子供たちにこそ、見てもらいたい作品だと思っています。人生におけるメッセージが詰まった、強烈な印象を残す作品です。

このサイトで紹介している映画の中で、もし一番観て欲しい作品は？と聞かれたら、間違いなくこの作品を勧めたいです。特にこの監督は有名ではありますが、一般的ではありません。ただ、この監督の作品を観れば、なんとなく映画の良さみたいなのが、理解できるような気がします。そして人間が生きていく上で、本当に大切なものを発見し、再確認できるそんな作品だと思うからです。こういう作品は、本当広く出回ってほしいものです。