『あの日、欲望の大地で』

【監督】 ギジェルモ・アリアガ
【出演】 シャーリーズ・セロン,キム・ベイシンガー,ジェニファー・ローレンス
【公開】 2008年 米 106分
【受賞】 第65回ヴェネツィア国際映画祭 マルチェロ・マストロヤンニ賞
【ジャンル】 人間ドラマ

現実を知らない方がどれだけ楽に生きられるか。

予告編

あらすじ

海沿いに建つ高級レストランのマネージャーとして働いているシルヴィア。美貌と確かなキャリアをもっている彼女であったが、職場を離れると、行きずりの男と安易に関係を持ってしまう傾向にあり、自傷行為も頻繁に行う、職場での彼女とは別人ようであった。そんな彼女の前に、カルロスと名乗るメキシコ人男性が現れる。彼の傍らに立つ少女マリアの姿に動揺し、思わず逃げ出すシルヴィア。その胸に、ある幻影が浮かび上がっていた。

10代の頃、シルヴィアの家族はニューメキシコ州の国境の町で暮らしていた。病気を克服したばかりの母親ジーナは胸に大きな傷を負っていた。母親に代わって家族の面倒をみていたのはシルヴィアだった。そんな中、母は隣町に住む男と、荒野に置かれていたトレーラーハウスで密会し、情事を重ねていた。しかしその情事は突然終わりを迎える。トレーラーが爆発事故を起こしたのだ。二人は帰らぬ人となってしまった。その記憶が忘れられないシルヴィア。実は彼女にはその事故に関わる秘密があった。その秘密を隠して生きてきた事にも、清算すべき時が来た事を、現代のシルヴィアは悟るのだった。。。

レビュー

この作品を観ていると、何が正しいのか正しくないのか、自分の倫理観が混乱してくる。不倫=悪ではないし、かと言って正でもあるわけでもない。子供時代に負ってしまった傷は、その後の人生において大きく影響する。一見真っ当に見える主人公が性癖に関しては異常性を持っている事がそれをあらわしている。

人は平凡に、平和に生きている時は、何も感じずに生きている。いや感じてはいるけど深く考え込む事はない。しかし一歩道を外れると、すべての事が疑問に思えてきたり(これはなぜ正しいの)とか、深く思考し出すと、平坦な道を歩けなくなってしまう。きっとそれを元に戻すには真実の愛が必要なんだと思う。愛に満ちていれば、その域に行ってしまうことはない。でもその愛が信じられなくなってしまった時に、人は一歩外側へと思考がそれていくんだと思う。

正直、時間つぶしに観た映画だったが、観終わってフラフラするくらいの衝撃をうけた。

シャーリーズ・セロンは、美しく、うまい女優だなと思う。それにも増して衝撃的だったのは、その子供時代を演じた、ジェニファー・ローレンス。後に「ハンガー・ゲーム」の主演でブレイクする女優だ。本当に際立った演技をしてた。憎しみを内に秘めた表情が絶妙だった。

 

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