『ブルーベルベット』

【監督】 デヴィッド・リンチ
【出演】 カイル・マクラクラン,イザベラ・ロッセリーニ,デニス・ホッパー
【公開】 1986年 米 121分
【受賞】 モントリオール世界映画祭 男優賞
【ジャンル】 サスペンス

予告編

あらすじ

のどかな田舎町が舞台。大学生のジェフリーは父の急病のため帰郷し、病院に見舞いに行く。父は様々な器具につながれてまともにしゃべる事もできない状態だった。その帰り道、野原を歩いていると、切り取られている人間の片耳を発見してしまう。その耳を拾い上げて、ジョン・ウィリアムズ刑事の元に届けたジェフリー。夜、刑事宅を尋ねたジェフリーは、刑事の娘サンディから、今回の事件には、ドロシー・ヴァレンズなるクラブ歌手が、関係しているとのことだった。

彼はサンディとスロー・クラブに行き、ドロシーが官能的に歌う「ブルー・ベルベット」を聞く。好奇心を覚えたジェフリーは、ドロシーが暮らすディープ・リヴァー・アパートに無断で侵入する。そこへドロシーが戻ってきてしまう、慌ててクローゼットに身を隠すと、ドロシーは、男と倒錯的な性行為を繰り広げていた。これをきっかけにジェフリーは徐々に、隠されていた世界へと、引きずり込まれていく。

レビュー

のどかな田舎町といい、その街に隠された事件といい、設定はまるでツイン・ピークス。そして主人公は奇妙な世界へと誘われていくのも、そのままツインピークスだ。デヴィット・リンチ監督の描く世界観は独特だ。常に静かでのどかで平和な日常が存在する一方で、それと対をなすようにして、そこには別世界が共存している。常に性的描写を含んで描かれているように思う、たぶん意識的に。

人間は一般社会生活と、性生活を完全に切り離して生きている。性生活はどこか卑猥で隠すべき対象とされる。しかしリンチの世界観は常にそれらは共存しているように描かれる、というか暴いているように感じる。まあ人間、すべてをさらしてしまっていては、確かに味気ない。その人の全部を知らずにいた方が神秘的であり、好奇心も増すものだ。そんな演出がきっとリンチの素晴らしいところなんだと思う。

 

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