【監督】 チェン・カイコー
【出演】 シュエ・パイ,ワン・シュエチー,リュウ・チャン
【公開】 1984年 中 94分
【受賞】 1985年 ロカルノ映画祭銀賞
【ジャンル】 人間ドラマ
あらすじ
舞台は、1939年の中国の田舎の村。親父、娘、息子の3人暮らしをする一家の暮らしは厳しく、毎日子供達は5kmの道のりを水を汲むだけに往復しているような、生活をしていた。
延安に本拠を構えた毛沢東率いる中国共産党の八路軍から、兵士を鼓舞するため中国の民謡を採集するという任務を与えられたクーチンという青年がやってくる。なんとか親父さんに歌を聞かせてほしいと思っているが、親父はなかなか歌を聞かせてはくれない。
ツァイチャオたち家族は字も読めないし、生きていくことだけで精一杯の生活をしている。一方でクーチンはお役人でありながら、貧しい生活に溶け込み、畑仕事を手伝ったり、女の仕事である針仕事までこなす新しい時代を象徴するような魅力的な男性だった。そしてクーチンから聞く話はどれ魅力的で、延安では女も文字を書くし、教育まで受けることができる。また髪を短く切って八路軍に入る娘もいるとのことだった。一番の驚きは、男女の結婚もこの田舎の風習とは異なり、2人の気持を尊重して行われているとの事。時代が大きく変わろうとしていることをツァイチャオは知る事になる。
しかし田舎の現実はそれを良しとせず、ツァイチャオは自分の意思とは裏腹に、父が決めた嫁ぎ先へと向かう事になる・・・
レビュー
中国の田舎の古い風習や文化を伝えながら、当時の状況を再現している。後半はもう涙なくしては見れない。劇映画ではあるが、まるでドキュメンタリーを見ているような錯覚を覚えるほど。
日本もかつては政略結婚が当たり前で、見合い結婚が主流だった時代がある。まして貧しい国では今でもこうした事は続いている。それ自体は良い悪いもない。人間が作り上げてきた社会の中で自然と起こってきた事なので。ただ時代は常に変化する事を認識する必要がある。なにも結婚に関してだけではなく、あらゆるものが変化するので、そうした事に柔軟にならなければいけないよという話。ただ、そうした理想では片付けられない問題もたくさんあることを、この作品は教えてくれている。
舞台となっている黄色い大地、そして黄河がものすごくキレイ。中国の国土の広さを示すようなダイナミック風景が画面いっぱいに広がっている。チェン・カイコーはそういうダイナミックな撮影も本当うまいと思う。
売り上げランキング: 123,849

![黄色い大地 [DVD]](http://g-ecx.images-amazon.com/images/G/09/nav2/dp/no-image-no-ciu.gif)

