『トリコロール３部作』

2013/12/19

【監督】　クシシュトフ・キェシロフスキ
【主演】　ジュリエット・ビノシュ,ジュリー・デルピー,イレーヌ・ジャコブ
【公開】　1993-94年　仏・ポーランド・ルーマニア
【受賞】　第50回ヴェネツィア国際映画祭金獅子賞・女優賞・撮影賞、第19回セザール賞主演女優・音楽・編集、第44回ベルリン国際映画祭監督賞
【ジャンル】　人間ドラマ

生きてる事自体が、なんだか不思議に思えてしまう。

青の愛予告編

白の愛予告編

赤の愛予告編

あらすじ

「青の愛」
有名な作曲家の夫と幼い娘を交通事故でに亡くしてしまうジュリー。彼女自身も大怪我を追ったが、一命をとりとめる。退院した彼女は、家と家財道具一式から、夫が遺した未完の楽譜も処分し、パリへと旅立ち一人暮らしを始める。静かな生活の中で、夫が遺した未完の協奏曲の旋律が、どうしても頭から離れずにいた。そんなある日、処分したはずの夫の未完の楽譜の写しが存在し、しかも夫が見知らぬ若い女性と共に写っている写真も見つかる。。。

「白の愛」
ポーランド人のカロルは、フランス人の妻・ドミニクから性的不能を理由に、離婚したいと告げられる。故郷ポーランドに戻ったカロルは一念発起し、実業家として成功する。そして元妻・ドミニクへの復讐を企てる。。。

「赤の愛」
ジュネーヴに住む大学生・ヴァランティーヌは、ファッションモデルの仕事をしながら生活していた。ヴァランティーヌには彼氏がいるが、彼への愛に疑問を抱き始めていた。
ある日ヴァランティーヌは車で犬を轢いてケガをさせてしまう。犬の首輪についていた住所札をもとに、犬の飼い主を訪ねていくと、そこには「隣人の電話の盗聴」を趣味とする、人間不信に陥った老いた元判事がいた。最初は彼の盗聴を「卑怯だ」としていたヴァランティーヌだったが、判事は自分が人間不信になったのは、あるトラウマからだと告げる。次第に判事とヴァランティーヌは心を通わせていく。そしてある日、元判事は自ら自首をする。
そして、「トリコロール3部作」の物語はクライマックスへと進んでいく。。。

感想・見所

強烈に色にこだわった作品。色が持つ印象や感情を反映させた３部作。どれも超がつく素晴らしい芸術作品。クシシュトフ・キェシロフスキの遺作にして、芸術性とメッセージ性のある映画の組み合わさった、最高傑作だと思う。各作品の三人の女優は、一番輝いている時の作品だと思う。

この三部作は綿密に絡みあっています。３部作を通してすべてを観て、また見直すと新たな発見があると思います。世の中では、あらゆる場所で同じような事が起こっていて、3部作は基本的にそれぞれに、フォーカスされる人も話も別々のものなのに、それぞれが微妙にクロスオーバーしている。「それぞれが関わりを持たずに別々に生きいるように見えても、世界は１つなんだよ」という、監督の世界観が反映したものなんだと思う。実に面白い。