『ふたりのベロニカ』

【監督】 クシシュトフ・キェシロフスキ
【出演】 イレーヌ・ジャコブ
【公開】 1991年 仏・ポーランド 98分
【受賞】 第44回カンヌ国際映画祭 女優賞・国際映画批評家連盟
【ジャンル】 人間ドラマ

人はけして1人ではない。でも自分はひとりだけ。

予告編

あらすじ

同じ名前、容姿、才能を持つ、2人のベロニカ。別々の国に生まれた彼女達の数奇な運命の物語である。
ポーランドに住むベロニカはピアニストを目指していたが、指のケガで断念せざるを得なかった。その後アマチュア合唱団で歌っていた彼女だが、彼女の神々しきソプラノは、有名な指揮者にも認められ、音楽堂の檜舞台に立つチャンスを得ることになるのだが。。。
一方、フランスに住むベロニカは小学校の音楽教師をしている。ある日、小学校に来た人形劇の悲しい物語に心奪われ、顔も見えない人形使いに惹かれていく。それから彼女のもとには謎めいた贈り物が届くようになった。そのうちのひとつにカセットテープがあり、そのアナウンスに従っていくと、ある喫茶店へと導かれる。そこにはテープの送り主である、絵本作家のがいた。

レビュー

こういう作品の何が良いのかを伝えるのはホント難しい。会話は少なく多くを語る事のない作品。話す言葉よりも、しぐさや情景で感情を表現している。主人公の感情を感じながら観ていないと、なんともつまらない作品に感じてしまうかもしれません。2人のベロニカがどういう関係を持っていて、つながっているのかも、はっきりとは明かされません。お互いがただ一度だけ、相手の存在を認識する場面があるだけです。しかも何を伝えたい作品なのかもはっきりしません。

感じたのは人は決して一人ではないという事。劇中にたびたび年老いた老人にクローズアップする事があります。特別な人物ではなく、ただの通りすがりの老人なのですが、それが人生や死を連想させるように感じます。老いや死は人間には必ず訪れるもので、逃れられるものではありません。「老いや死におびえて生きるのではなく、思いっきりやりたい事をやっていきなさい」といったメッセージなのかなと。自分の瓜二つの人物を見ることで、我に振り返れといっているのように、感じました。

単純に主演のイレーヌ・ジャコブがめちゃくちゃキレイ。映画「アメリ」の主役であるオドレイ・トトゥをもっと上品にした感じの女優。

 

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