『その男、凶暴につき』

【監督】 北野武
【出演】 ビートたけし,白竜,川上麻衣子,佐野史郎
【公開】 1986年 日 103分
【ジャンル】 マフィア

予告編

あらすじ

犯罪者を追い詰めるためなら、暴力もいとわない凶暴な刑事、我妻諒介。その行き過ぎた捜査と粗暴な性格から、勤務する警察署でも危険人物として敬遠されている、一匹狼である。
そんなある日、港で麻薬売人の惨殺死体が発見される。我妻は事件の捜査を開始し、容疑者への殴る蹴るの暴行すら厭わない強硬な手段で、次々と犯行グループの全貌を暴いていく。覚醒剤を密売する組織の首謀者として暗躍する青年実業家の仁藤、その手下で殺し屋の清弘の存在が浮かび上がってくる。そして、我妻の親友であり、防犯課係長でもある岩城にたどり着く。自分がガンで長くないと知った岩城は、生まれてくる子供のために金が必要であり、押収したヤクを横流ししていたのだ。しかし岩城は口封じのため、自殺とみせかけられて、あっけなく殺されてしまう。

感想・見所

とにかく衝撃的なデビュー作だと思う。1作目からしっかり映画になっていた。今村昌平監督だったと思うけど、「映画とはカットとカットの間に存在する」と言っていた。結構深い言葉なので、はっきりは理解できてないけど、ひとつ言えるのは「間(ま)」なんだと思う。テレビドラマであれば、一定の決まりきった間で作られていく。それと違って映画は監督の思惑、思い入れが吹き込まれるものなので、間が一定でない。そしてこの北野監督の作品は、デビュー作からオリジナルの「間」を持っている。じーと画面を見つめる人物を写し続ける。そこにその人物の感情を表現させている。いや能面に近い表情でわかりにくいものもある。でもそれは何かを語っている顔であり、それを伝えようとする意図がある事は読み取れる。

そうした「間」が北野流として、この後の作品にも発揮されていく。そうした意味での驚くべきデビュー作だと思う。

 

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