【監督】 スタンリー・キューブリック
【出演】 キア・デュリア,ゲイリー・ロックウッド,ウィリアム・シルベスター,ダグラス・レイン
【公開】 1968年 英・米 141分
【受賞】 1968年アカデミー賞 特殊視覚効果賞
【ジャンル】 SF
あらすじ・解釈
太古の昔、モノリスと言われる黒い石版が突如として類人猿の前に現われる。その石版は彼らに道具を使うという事を教える。類人猿達は、動物の骨を手に取り、それを使う事で狩をし、他人と戦う事を覚える。
時は現代にうつり、月でこの石版が発見される。とても人類の生み出せる代物ではない事がわかり、人類よりもはるかに進んだ知的生命体がいる事が判明する。
木星に同じ石版があることが確認され、その調査に宇宙船デスカバリー号が向かうことになる。その道中、宇宙戦のメインコンピュータ(人工知能を持つ)である「ハル」が異常をきたし、乗組員を殺し始める。やむなく船長はハルの思考部を停止する。
そして木星に到着すると、光に包まれスターゲートへと吸い込まれていく。そこは石版の中の世界。つまり神の領域に近い場所。そして船長はやがて物体・肉体といった現実社会の中では、いつかは壊れるもしくは衰え失われていく運命でしかない事、時間の中で生きている事を知る事になる。人類よりもはるかに進んだ知的生命体は、肉体を持つ事から逃れ、脳さえも必要としない、精霊の世界、もしくは神の存在に限りなく近いところで存在しているという事を知る事になる。
*この作品は小説「2001年宇宙の旅」を元に作られています。小説において詳しく説明書きがされている箇所もあるので、読んでみるとさらに理解が深まります。上記は著者なりの解釈を織り交ぜています。
レビュー
初めてこの作品を観たのは公開から30年も後の事だ。当時はもちろんCGもなく、どうやって撮影したんだろうと思う場面ばかりだった。特に宇宙基地の中でジョギングしているシーン。まるでラットが走って回転するかのように、円形部分を走っていたり。無重力の中のように滑らかに浮遊していたり。空中に漂うペンを手に取るシーンだったり。驚くべき映像表現の数々。そのせいもあって、1969年のアポロ月面着陸映像は、キューブリックが作った映像だとする意見が絶えない。ましてこの時代は、人類が他の星に行ったこともない時代である。恐るべき想像力と、完璧主義のキューブリックのこだわり具合がわかる。
*この作品は会話シーンが少なく、イメージ映像が多い作品です。通常の物語を追う映画とは異なります。
何といっても音楽。オープニングのオーケストラは誰もが一度は聴いたことがある曲だ。その音楽と共に浮かび上がってくる惑星。そして類人猿が、動物の骨を手に取り、道具として初めて使う瞬間にも使われる印象的な曲だ。ラストシーンで胎児に帰っていくシーンでも。
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