『うなぎ』

2013/10/22

【監督】　今村昌平
【出演】　役所広司,清水美砂,柄本明,倍賞美津子,田口トモロヲ
【公開】　1997年　日　117分
【受賞】　第50回カンヌ国際映画祭パルム・ドール
【ジャンル】　人間ドラマ

あらすじ

サラリーマンをしている山下拓郎は、ある日、妻の浮気を伝える差出人不明の手紙を受け取る。そして不倫の現場を目の当たりにした彼は、激しい怒りに駆られて妻を殺してしまう。

それから8年後、刑期を終えた山下は出所し、河辺に小さな理髪店を開業した。人間不信に陥っていた彼は、仮釈放中にトラブルを起こしてはならないこともあって、近所づきあいもせずに静かな生活を送っていた。唯一の話し相手は飼っていたうなぎだけ。

そんなある日、河原で山下は倒れている女性を発見する。一命をとりとめたその女は妻に瓜二つで、服部桂子といった。そんな彼女は山下の店で働きたいと言い出す。山下はしぶしぶそれを受け入れた。明るい彼女のお陰で店は繁盛するようになり、街の人たちにも受け入れられていく。また山下の気持ちも次第に解きほぐされていく。

しかしそこへ刑務所で知り合った男が現れ、山下の過去をばらしたり、執拗な嫌がらせをし始める。一方で桂子もトラブルを抱えており、山下は思わぬ形で関わっていく事になる。

レビュー

なんなんだろうか、今村作品には（特に後期の作品）、独特の空気が流れている。昔、映画の本で今村監督が言っていたことがある、「映画はカットとカットの間に存在する」って。意味するところはよくわからないが、それは映画の持つ空気を作り出す事なんだと思う。それと今村作品には常にエロティシズムが流れている。それって人間の本能的な部分で、人間を描く際に必要な要素なんだと思う。だからなんか直接的にエロくなくても、映画全編を通して画面から色気が伝わってくるような感じがするんだと思う。言葉をかえればそれがサガって事なのか。