『上海ルージュ』

2013/10/05

【監督】　チャン・イーモウ
【出演】　コン・リー,リー・パオティエン,リー・シュエチェン
【公開】　1995年　中・仏　108分
【ジャンル】　人間ドラマ

あらすじ

1930年の上海。そこへ田舎から叔父を頼ってやってきた少年「水生」。水生が連れて行かれたのは、ギャングのボスとその愛人が働くナイトクラブだった。そこで愛人である金宝の召使として働く事になる。スターである金宝は、楽屋裏では高慢極まりなく振舞っており、しかもギャングのボスの目を盗んで、ボスの片腕とできている事を水生は知る事になる。

一方でギャング同士の抗争は激しさを増し、水生と金宝は遠く離れた小島にある秘密の隠れ家に向かう。島の自然の暮らしの中で、金宝の心はいつしかほぐれていった。彼女は、自分も田舎の出であることを告白し、子供の頃の思い出を語る。金宝は、水生に彼の夢である豆腐屋開店の資金が貯まったら上海を去るように論し、数枚の硬貨を与えるのだった。

レビュー

【ネタバレ】　希望に満ち溢れた少年の視点で、エンディングしていくのかと思って観ていたが、とんでもない結末がまっていた。逆さ釣りの刑を受ける少年の視点で物語りは終わっていく。最後に金宝にもらったコインが滑り落ちて、川の中に沈んでいく。思い通りにいかない人生を、この２つの演出によって描き出されているシーンはぞっとした。そしてまた輪廻のごとく、悲劇は繰り返されるであろう事を、少年の目は訴えかけていた。恐ろしいラストシーンであり、見事な演出だった。