『ボーイ・ミーツ・ガール』

【監督】 レオス・カラックス
【出演】 ドニ・ラヴァン,ミレーユ・ペリエ
【公開】 1984年 仏 104分 白黒
【受賞】 第37回カンヌ国際映画祭 ヤング大賞
【ジャンル】 青春映画

予告編

あらすじ

親友に恋人を奪われ、殺そうとするがとどまる主人公のアレックス。そしてアレックスは地図に書き込む「殺人未遂をする(日付)」と。一方ミレーヌも、彼氏とのケンカが絶えない日々にうんざりしていた。別の世界に住んでいる二人は、徐々に距離を縮め、パーティ会場で出会う事になる。

レビュー

カラックス監督の長編デビュー作であり、アレックス三部作(汚れた血、ポンヌフの恋人)の最初の作品。主人公のアレックスとは、カラックス監督自身であるとされている。ストーリーはあるものの、全体として心理描写されているイメージ映像が多い。夜、川辺、狭い部屋、殻に閉じこもった自分、どこか青春時代の1ページにあったなと思わせるような場面が散りばめられている。監督の青春時代(皆の青春時代でもあると思う)を、そんな光の当たらない影の部分を描くために、白黒作品だったのかもしれない。

三部作ともに走るシーンがあるんだけど、この作品でもすごく印象的。真横から捕らえた映像で、とにかく何かに向かって走っていく、青春時代の何だかわからないパワーを感じる。ミレーユ・ペリエがめちゃくちゃかわいい。これぞパリっ子って感じ!

*映像のオーバーラップやゆっくりと画面が移動したり、不自然に回転している男女がいたりと、叙情的な表現が取り入れられている。男女が抱き合っているところをアレックスが通りかかり、じーとみつめている。男女は不自然に回転してるんだけど、まるでアレックスとは別の世界にいるかのように描かれている。こういうシーンって現在でも使われている手法で、例えばもっとデフォルトして、男女だけに光が当たってたりする、ちょっとコミカルな表現として現在でもよく見られる演出方法だったりする。そうした表現がニュートラルに多くみられるので、ストーリーを単純に追うだけの作品ではない。また、ゴダールの再来(ネオ・ヌーヴェルバーグ)と言われるぐらいなので、とても詩的表現が多いので、見慣れていない人は嫌いだと思う。

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