【監督】 レオス・カラックス
【出演】 ドニ・ラヴァン,ジュリエット・ビノシュ,ジュリー・デルピー
【公開】 1986年 仏 116分
【受賞】 第37回ベルリン国際映画祭 アルフレード・バウアー賞
【ジャンル】 青春映画
あらすじ
愛のないセックスによって感染するSTBOが蔓延する世界。アレックスは恋人といる時も、どこか心ここにあらず。そんな時に、ある女性に出会い、彼の中で変化が生じる。それは幸せな出会いなのか、または破滅への出会いだったのか。
レビュー
ひたすら振り回される青春時代の男子を描いた作品。幸せなのに満たされない、大事なものはわかっているけど、何をしたらいいのか自分でもわからない青春時代、そんなものを映し出している。
とにかく疾走感が半端ない。当時僕はこれを観て、夜中なのに外に飛び出した覚えがある。何かをしなきゃって。第一作よりも、よりダイレクトに伝わってくるものがあった。当時僕も20歳前後なので、アレックスと同じような感覚に陥っていたせいもあると思うけど。
どのシーンも美的センスにあふれている。画面構図がすごくきれい。特にラストシーンでジュリエット・ビノシュが走っていくカットはおそろしく素晴らしい。水平に構えていたカメラがあおりに変化していく。あおった構図が見事に、彼女の思いを表現している。(ネタバレ:ほほについたアレックスの血を手で触れ、初めて心からの笑顔を出していたように思う。)
正直フランス映画は、このカラックス監督の三部作以降、停滞してしまっていると思う。この監督以上の衝撃を受ける作品には出会っていない。それだけ強烈な作品群である事は間違いない。
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