『インセプション』

2013/12/12

【監督】　クリストファー・ノーラン
【出演】　クリスチャン・ベール,マイケル・ケイン,ヒース・レジャー,ゲイリー・オールドマン,モーガン・フリーマン
【公開】　2008年　米　152分
【受賞】　第81回アカデミー賞助演男優賞・音響編集賞
【ジャンル】　SF

全く新しい世界観で、世界をゆがめた作品。

予告編

あらすじ

主人公のドム・コブは特殊な企業スパイを生業にしていた。それは人の夢（潜在意識）の中に入り込んで、その人のアイディアを盗み取るというというものだった。そんな彼に、大企業のトップのサイトーが仕事を依頼してきた。その内容とはライバル会社を陥れるために、社長の息子に違う考えを植え付ける（インセプション）という、最も難易度の高いミッションだった。

極めて危険なため一度は断るが、妻の殺害容疑をかけられ国際指名手配されている犯罪履歴を帳消しにするという条件で仕事を引き受けるのだった。

コブには同じ仕事をしていた妻がいたが、夢と現実の区別がつかなくなってしまい、精神を病んで亡くなっていた。コブは時々、その妻に会いに行っていたのだった。

古くからコブと共に仕事をしてきた仲間達と新たにスカウトした少女、そしてサイトーを加えた6人で作戦を決行することとなった。しかし潜在意識の中に潜り込むまではよかったが、そこで思わぬ反撃を受ける。それは企業スパイに備えた潜在意識の防護訓練を受けていたのだ。

そして彼らはインセプションを成功させる為に更に深い階層へと落ちていくのだった。

レビュー

若い頃、僕にも経験がある。麻薬を深く経験すると、何層にもおりなった世界へと落ちていく感覚がある。現実の世界に上ってきても、次の瞬間さらに深い階層の世界に落ちていく。そんな繰り返しが続く。きっと監督もその経験があったのだろうと思う。それにしても、その構成・設定は素晴らしい。特に下の階層に行けば行くほど、時間経過が遅くなるという設定には、うなった。メメントにしても、バットマンにしても、彼の作品はまず設定を決めて、そこから物語を作っていくのだろうと思う。その設定がしっかりしているので、その中でうごく人物は自然と動作するのだと思う（もちろん色々なアイデアを盛り込んでいくのだろうけど）。とにかく設定ありきで、その設定が素晴らしく面白い。彼の作品の中ではピカ一の想像性を発揮しているのが本作品「インセプション」だ。