浮かれるわけにいきません。
スタートラインに立っただけです。
いばら道はこれからです。
でももう一人じゃない。
衆院選で東京都8区から出馬していた俳優、山本太郎氏氏に当選確実が出た。
山本太郎と言えば、「たけしの元気が出るテレビ」での、「メロリンキュー」のふざけた印象が未だに強く残っている。その後はバラエティで活躍するほか、俳優としても才能を発揮していたと思う。そんな山本太郎氏が東北大震災を境に、人が変わったように自分の人生や家族も顧みず「原発反対」を訴え始めたのは、衝撃的だった。
全米で巨額の公害賠償金支払いを勝ち取った女性を描いた映画「エリン・ブロコビッチ」の時に書いたけど、やっぱり学歴とか経歴なんかよりも、どう考えどう行動するか、それが大事なんだと思う。エリン・ブロコビッチは住民の健康が脅かされている事で問題意識を持ち、原因が大企業の公害にあった事で、自然と自分の正義感が働き出して、行動を開始する。自分の中にある「これじゃダメでしょ」といった単純な正義感が行動原理だ。
子供の頃は、学校や家庭では「やってはいけない事」を自然と教えられる。それで善悪を見分けられるようになる。でも大人になるとどういう訳か、それが見分けられない事態に頻繁に陥る。原発にしても色々な問題が絡んでいるので、一概に言えない。しかし放射線が人体に悪影響を及ぼす事は、はっきりとわかっている。それに対して立ち上がったのが、山本太郎氏だ。
もちろん、原発についての議論はそれぞれの意見があるので、どうなるかはわからない。しかし山本太郎氏の行動自体は評価に値する事だと思う。家族のいる身でありながら、芸能事務所をやめ原発反対活動に没頭し、今回は選挙にまで出た。それは誰にでも出来ることではないし、まして家族の理解がなければ、出来ることではない。
そうした意味でも今回の山本太郎氏の当選確実は意味があることだと思う。1つの震災を通して、人一人がこうも変わり、自分の信じるものを求めて行動する姿は、僕らに何かを伝えていると思う。その意味で今回の当選は、「行動する事の大切さ」を物語る一つの象徴として、素晴らしい事だと思う。



