【監督】 ベルナルド・ベルトルッチ
【出演】 ジュリオ・ブロージ,アリダ・ヴァリ
【公開】 1970年 伊 99分
【ジャンル】 人間ドラマ
あらすじ
北イタリアの小さな町タラの駅に、アトス・マニャーニが降り立った。彼は、20数年前にムッソリーニ政権下においてファシズムと闘って命を落とした英雄として、町には記念碑まで建てられている父の息子だった。
アトスを町に呼んだのは父のかつての愛人ドライファ。父の死に多くの不可解な点があったことで、それを解明してほしいと息子を呼び寄せたのだった。そして彼は反ファシズムの抵抗運動の生き残りの3人に話を聞く事にする。映画館主のコスタ、教師ラゾーリ、ガイバッツィ、3人の話によれば、タラの町に劇場ができた時に、その落成式にムッソリーニが列席するという情報を得たアトスを中心とした4人グループが、ムッソリーニを暗殺しようと計画を立てた。しかし、直前になりその計画がばれて、ムッソリーニはタラには来なかったという。
暗殺計画はこうして失敗し、逆に父アトスが暗殺された。きっと計画を密告した者がいたはずである、それは一体誰か。そしてついに真実を知った彼は驚愕することになる。
レビュー
ストーリーをおって観るというよりも、その映像の美しさに酔う作品だ。本当に幻想的で美しい作品だ。ひとつ気になるのはラストシーン。映像トリックも使われていて、凝っているのだが、何を伝えるためのシーンであるのかはっきりとは描かれていない。
【ネタバレ含む】 おそらく雑草の生えた線路、もうかなりの間使われていない事を示している。そして町の人たちは父の死の真相を知っていた事。これらを踏まえると、主人公の息子は幻想の世界にいるのか、過去の町に紛れ込んだのか、いずれにしても町での彼の体験は現実ではなく、ホームでの雑草の生えた状態というのが現代であり現実なんだと思う。だとして、息子に何を伝えたかったのだろうか。もちろん父の死に関する真相であるが、なぜ今なのかという疑問が残る。

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