【監督】 ダニー・ボイル
【出演】 デーヴ・パテール,フリーダ・ピントー,アニル・カプール,イルファーン・カーン
【公開】 2008年 英 120分
【受賞】 アカデミー賞 作品賞・監督賞・歌曲賞・作曲賞・編集賞・録音賞・撮影賞・脚色賞、英国アカデミー賞 作品賞・監督賞・脚色賞・音楽賞・撮影賞・音響賞・編集賞
【ジャンル】 人間ドラマ
懸命に生きていれば、答えは必ず見つかる。
あらすじ
ジャマールは、人気番組「クイズ$ミリオネア」に出演していた。司会者であるプレームの挑発にも乗らず、難問の数々を冷静に対応していく。そして、とうとう最後の1問というところにまでたどりつく。正解すれば、賞金は2000万ルピー。一生かかっても手にできないような大金である。プレームはスラム育ちの少年がこんなに答えられるはずがない、きっと不正行為があるはずだと、1日目の収録が終わったところで警察に通報し、ジャマールを拘束させる。ジャマールは天井から吊るされ尋問を受ける事になる。
そして彼は語りだした、これまで過ごしてきた人生を。彼はインドの大都市ムンバイの中にある世界最大規模のスラム、ダーラーヴィー地区で生まれ育った。彼と兄のサリームは、幼い頃に民族間抗争により母を亡くし、孤児となった。そんな二人は孤児の少女ラティカに出会う。彼らは、ダルタニャン物語の「三銃士」に見立てて、過酷な生活環境の中を生き抜いていくのだった。実はそれらの彼らが生き抜いてきた話にこそ、問題の答えはあった。「生きる中から学んだ」と。
レビュー
華やかなテレビの世界とは対象的に、貧困のスラムは今も存在している。そこは、生きていくのが精一杯な環境だ。そんなインドのスラムの現状を描きつつ、そこで生きる事の大変さを伝えている。映画はユーモアもあれば、恋愛要素、インド映画の要素もあって楽しめるし、何よりも脚本が素晴らしい。出題される問題の回答と、主人公の人生から得た教訓がシンクロしていて、見事な作りになっている。
しかしその根底にあるのは、やはり貧富の差だろう。目覚しい発展を遂げているインドですら、スラムは数多く存在しており、貧富の差は広がる一方だ。これは世界的に言える事で、南米などでもおなじように発展を遂げてはいるが、それは一部であって、全体として見れば貧しい暮らしの人は多い。そんな部分にスポットライトを当てた事は、この作品としての価値の一つだと思う。
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