【監督】 エリア・カザン
【出演】 ジェームズ・ディーン,ジュリー・ハリス,レイモンド・マッセイ,ジョー・ヴァン・フリート
【公開】 1955年 米 115分
【受賞】 第13回ゴールデングローブ賞 作品賞、第8回カンヌ国際映画祭 劇映画賞、
第28回アカデミー賞 助演女優賞
【ジャンル】 青春映画
あらすじ
1917年、カリフォルニア州の小都市サリナス。農場を経営するアダムは、双児の息子と暮らしていた。兄のアーロンは真面目で優秀な青年、弟のキャルは暴れん坊で反抗的な性格をしていた。父はキャルをあからさまに嫌っていた。二人の母は、アダムから死んだと聞かされていたが、キャルは郊外で酒場を営んでいるケートこそ、実の母親に違いないと思っていた。酒場に行き、それを確認しようにも用心棒に叩き出されてしまうキャル。しかし保安官からケートが実の母である事を聞かされた。
父アダムは敬謙なクリスチャンで、型にはまった保守的な性格の持ち主であった。一方の妻であったケートは自由を望む、新しい時代の女性であったために、母を閉じ込めようとする父とは、基本的に合わなかった。そして束縛から逃れようと、飛び出したと言う背景があった。父は、元妻に似ているキャルを毛嫌いしたのもそのせいであった。一方でキャルはなんとか父に好かれようと努力する。しかしそれは空回りしてしまうのだった。父の事業失敗を目の当たりにしたキャルは父のために一儲けしようと、戦火が激しくなっているのを利用して、儲けを出した。父の誕生日にその儲けた金をプレゼントするも、父は戦争で儲けた金は受け取れんと、それを拒否する。さらに兄のアーロンまでもが彼を侮辱するのだった。
レビュー
屈折した父子を描いた作品。もちろん時代を反映しているが、これは未だに起こりうる問題をテーマにしている。親子間のストーリーではあるが、テーマは生き方について。両極端ではあるが、保守的に生きるか、自由に生きるかといった生き方の違いをテーマとしている。時代で言えば古い人ほど、保守的な考え方の人が多い。また現代で言えば、景気が悪い時期は保守的になりやすい。特に日本は失われた10年20年を過ごしているので、保守的な傾向にあると言えるだろう。というよりも、先進国はいずれ保守的になっていって当然だ。経済が安定し、秩序が保たれていれば、危険を冒すような生き方はする必要がなくなるからだ。
とはいえ、兄の恋人を愛するというのは、自由主義であってもいただけない。まあキャル自身が屈折したキャラクターなので仕方ないが。
売り上げランキング: 10,093

![エデンの東 [DVD]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51N3xLrrdlL._SL160_.jpg)

