【監督】 ジョナサン・デミ
【出演】 トム・ハンクス,デンゼル・ワシントン,ジェイソン・ロバーズ,アントニオ・バンデラス
【公開】 1993年 米125分
【受賞】 第66回アカデミー賞 主演男優賞・歌曲賞
第44回ベルリン国際映画祭 銀熊賞(男優賞)
【ジャンル】 人間ドラマ
あらすじ
弁護士アンドリューは一流法律事務所に所属し、経営層からの信頼も厚く、将来を期待された優秀な弁護士だった。しかしある日の重要な裁判の際に、ちょっとしたトラブルに巻き込まれる。なんとか大事にはいたらなかったが、経営層の態度は急変し、突然解雇されてしまう。
理由はエイズの発症にあった。
これを不当解雇としてアンドリューは訴訟を起こそうとするが、弁護士にことごとく断られ、かつて敵同士として戦ったことのある黒人弁護士ジョー・ミラーを訪ねる。しかし彼もエイズに対しての恐怖をもっており、一度は申し出を断る。
しかしクリスマスの夜、ジョーは図書館でやせ細ったアンドリューを見かける。自分の命を削って尚、裁判に立ち向かおうとする姿に、弁護士としての正義への信念を感じ、ジョーはアンドリューの弁護を引き受ける事にする。こうして一流法律事務所を相手取った、前代未聞の裁判劇が幕を開ける。
レビュー
人は自分の死を悟った時に、どう行動するものなのだろうか。贅沢三昧をするのか、愛する人と穏やかな時を過ごすのか、それともこの映画のように自分の正義を貫くのか。武士が死ぬ時まで恥をさらしたくはないと、潔く死んでいくというのを見た事がある。武士の切腹は、痛みを最も伴っていく死に方で、それにも耐えて死んでいくという選択をする事で、死に方にまで自分のプライドを誇示するという武士の美学みたいなものが含まれている。この主人公は自分の正義を貫くために、自分の汚名を晴らすために、命を削って戦いを挑んでいる。それは自分のためでもあり、この世に残される自分の記憶や記録が、汚されたままでは良しとしない精神からくる行動だ。そういった意味で、ある意味では武士の精神に近いとも言える。
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