『cure』

2013/09/12

【監督】　黒澤清
【出演】　役所広司,萩原聖人,うじきつよし,大杉漣
【公開】　1997年　日　111分
【受賞】　第10回東京国際映画祭最優秀男優賞
【ジャンル】　ホラー

あらすじ

殺人現場に駆けつけた刑事の高部は、被害者である娼婦の胸に、またもやＸ字型に切り裂かれた跡があるのを見る。最近連続している事件であった。しかし犯人にこれといった共通点も見つからない。この娼婦の事件も、その場で犯人は逮捕されるものの、なぜか被害者を殺害したのか、その理由を覚えていなかった。しかしなぜこのような無関係な複数の犯人が、共通した特異な手口を用いているのか、高部は友人の心理学者・佐久間に相談するが、分からずじまいだった。

その頃、海岸をひとりの若い男がさまよっていた。小学校の教師が彼を助けるが、彼はその後で、妻をＸの字に切り裂いて殺してしまうのだった。その後、その若い男は警官に保護され、そして病院に収容されてるも、同様に彼に関わった警官や女医は、それぞれに殺人を犯してしまう。

催眠の可能性がある事に気付いた刑事の高部は、この若い男・間宮を容疑者とみて取調べを開始するのだった。心理学者の佐久間からは、あまり深入りするなと警告されるのだが、高部はその言葉に反し、彼に深く関わっていく事になる。

レビュー

これまで観た映画の中で、ダントツに怖い。次点は「リング」「シャイニング」かな。催眠による殺人が、次々に起こる。しかもそれらははっきりとした原因は描かれずに、拡散していく。呪いの類のように伝染していくが、前後の描写から犯人はわかるのだが、決して核心部分である催眠に陥れる部分は描かれていない。だから余計に無作為に伝染していく感じが恐怖を誘う。
ラストでも、一見事件は解決したかに見える。しかし、殺人事件は繰り返され、描写から犯人は明らかだった。