『仕立て屋の恋』

2013/11/26

【監督】　パトリス・ルコント
【出演】　ミシェル・ブラン・サンドリーヌ・ボネール・リュック・テュイリエ
【公開】　1989年　仏　78分
【受賞】　第15回セザール賞音響賞、第42回カンヌ国際映画祭パルムドールノミネート
【ジャンル】　恋愛

愛の形って本当にたくさんある。

予告編

あらすじ

薄暗い公園でピオレットという青年が殺された。捜査を担当した刑事は、以前強制わいせつ罪で捕まったことのある仕立て屋イールの犯行ではと疑う。
極端にきれい好きで孤独な生活を好むイール。彼の趣味は中庭をはさんだ向かいに住む美しいアリスの生活をのぞく事だった。彼は彼女に恋をしていたのだ。
アリスに彼氏のエミールがいる事も知っていた。アリスはエミールと結婚したいと願っていたが、彼はいつも返事をごまかしていた。ある雷が鳴る夜、アリスは自分の部屋を覗き見しているイールの存在に気づく。最初ショックを受けるが、やがて事件のことを知っているかどうか確かめるためにイールに接近していく。
距離を縮めていく２人であったが、イールは、エミールがピオレットを殺し、アリスに死体の処理を手伝わせていたのを目撃していた。しかしイールはアリスを愛しているので、もちろん警察には黙っていたのだが。。。

レビュー

女の部屋を覗き見する男の物語。お決まりの情けない男が主人公。でもこの男はその女性に本当に恋をしている。だから彼女を守るために、すべての行動を起こしている。彼女の秘密も胸にしまい。騙すのと騙されるのであれば、騙されている方がいい。そりゃその時はキツイけど、人を騙してまで幸せになりたいとは思わない。この映画を観ているとそう思える。

女が男の覗きに気付いて、服を脱ぐのと同時に向かいのマンションに視線を向けるシーンはドキッとする。階段からわざとモノを落として男に接近するシーンも、小悪魔的なしぐさをうまく描写してて、ドキドキする。そうした男の願望的な部分を描き出すのもうまいな、この監督は。