『わが谷は緑なりき』

【監督】 ジョン・フォード
【出演】 ウォルター・ピジョン,モーリン・オハラ,ドナルド・クリスプ,ロディ・マクドウォール
【公開】 1941年 米 118分
【受賞】 第14回アカデミー賞最 優秀作品賞・監督賞・助演男優賞・撮影賞・美術賞・室内装置賞
【ジャンル】 人間ドラマ

予告編

あらすじ

初老となったヒュー・モーガンは生まれ故郷のロンダの谷を出ようと決心していた。ヒューは谷が緑だった頃、一家みんなが揃って幸せだった少年時代をしみじみと回想する。

モーガン家の男達は、末っ子のヒューを除いて皆炭坑夫だった。 父ギルムを始め5人の兄が稼いだ賃金はいつもしっかりと父が管理し、決められた用途に割り振られていた。姉アンハードが湧かしたお湯で身体を洗い、食事につく、そんな幸せな毎日だった。長男が結婚し、披露宴の日、アンハードは新しく谷に赴任してきた牧師グリュフィードに恋をする。

ある日、会社が賃金を引き下げた事から息子たちは組合を作る一方で、それに反対する父。結局兄らは家を出てしまう。 やがてストライキが起こり、ストに反対した父は仲間たちからの非難を浴びる。しかも母が川に落ちたのを助けようとしたヒューは重症の凍傷になってしまう。再び歩けるようにはなるか分からない中、ヒューを救ったのはグリュフィード牧師の愛情だった。数ヶ月後、ヒューは再び自分の足で歩けるようになり、グリュフィード牧師と親交を持つようになる。

ヒューはグリュフィードの助けもあってモーガン家で初めて学校へ通うようになるが、長男が事故死し、進学を諦めて炭鉱で働くようになる。ストライキは終わったが、炭坑では働き口が激減し、新天地を求めてひとりまたひとりと谷を去っていく。兄も同じように去って行った。いまや昔の幸せだった頃の谷はもうなかった。

レビュー

時代と共に変わり行く家族を映し出した感動作。炭鉱を舞台にした作品はいくつもある。たとえば「ブラス」。音楽と炭鉱を主軸にした物語。炭鉱は時代の変革の象徴として描かれる事が多い。それはそこに生きる人々の人生を左右する事につながっているからだ。

かつて僕のふるさと栃木にも足尾銅山という大きな炭鉱町があった。僕が成人した頃に行ってみた事があったが、採掘は終了していて、町は寂れていた。大きな工場跡が川沿いにいくつもあって、中に入ってみたが、屋根は抜け落ち、機械は野ざらしにされた状態だった。かつては賑わいをみせていた町も時代と共に人々は去っていき、皆ちりちりになっていることだろう。そんな一家族を見つめているのがこの作品。

 

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