【監督】 ロバート・ベントン
【出演】 ダスティン・ホフマン,メリル・ストリープ,ジェーン・アレクサンダー
【公開】 1979年 米 105分
【受賞】 第52回アカデミー賞 作品賞・監督賞・脚色賞・主演男優賞・助演女優賞
【ジャンル】 人間ドラマ
あらすじ
舞台はニューヨーク・マンハッタン。ジョアンナ・クレイマーは結婚して8年を迎え、今日も帰らぬ夫を持ってついに夜明けを迎えていた。仕事熱心の会社員テッドは家事と育児を妻のジョアンナにすべて押しつけていた。ジョアンナは何か自分が打ち込める仕事をしたいとテッドに相談を持ちかけても、家族の生活にまったく不自由がないのに、何が不満かと言って全くとりあってくれない。ジョアンナは自分をとり戻すために家を出る決心し、寝ている息子のビリーに「アイ・ラブ・ユー」とささやき、家をあとにする。その時、帰宅したテッドと鉢合わせするが、それでも妻のこうした行動をほったらかしてしまう。
翌日、オフィスから自宅にかけた電話に誰も出ないことから、始めて事の重大さを知るテッド。そこから彼の生活は一変する事になる。
朝から息子の分まで朝食を作り、学校まで送り、それから急いでタクシーで会社へ向かう。会社の仕事も家まで持ち帰る羽目になるが、ビリーはその仕事を邪魔するかのように甘えてくる。最初はなかなか噛みあわない親子だったが、次第に協力して一緒に生活することを自覚するようになり、二人の仲も急速には深まっていった。
ジョアンナが家を出てから1年半が過ぎたある日、テッドが目を離した隙にビリーがジャングルジムから転落し、大怪我を負ってしまう。さらに息子に気を取られ仕事に身が入らないテッドは、会社から解雇されてしまう。そんな悪いことが重なっていたテッドに追い討ちをかける事態が起きた。連絡のなかったジョアンナが、息子の養育権は取り返そうと訴えを起こしたのだった。息子に怪我を負わせ、尚且つ失業中という最悪の状態で、養育権を勝ち取る見込みはほとんどなかった。
レビュー
【ネタバレ】 親子の愛の絆、夫婦間の問題、そんな家族を描いた作品。息子の養育権をめぐって醜い争いを繰り広げる2人だったが、ラストでいざ息子の引渡しになった時に、2人は何が一番大切なのかを悟る。それは息子だった。息子を取り合って裁判していたことを反省し、また息子を無理やり連れいくような事をして、息子のためになるはずがない。そう悟った2人は、それまでのケンカが嘘のように抱擁する。
大事なものは見失いがちだ。仕事に没頭して家族を省みない夫。自由な生活がなく、やりたい事もできないと言う妻。それぞれがそれぞれの思い通りにならない事に、不満を持ち、自由に生きてしまったら、家族は成り立たない。家族だけではない。社会もそうした事をしていたら成り立たなくなってしまう。人が人の社会で生きていくには、他人を認め合い理解する事、そしてちょっとの我慢とやさしさが必要なのだと、この作品は教えてくれる。
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