『復讐するは我にあり』

【監督】 今村昌平
【出演】 緒形拳,三國連太郎,ミヤコ蝶々,倍賞美津子,小川真由美
【公開】 1979年 日 140分
【受賞】 第3回日本アカデミー賞 作品賞
【ジャンル】 人間ドラマ

予告編

あらすじ

実際に起こった連続殺人事件をベースにしている話。

日豊本線築橋駅近くの売店で惨殺死体が発見され、現金が奪われていた。そして榎津厳が容疑者として浮かびあがる。榎津は捜査員の聞き込みの結果からも評判も悪い。

二ヵ月前までは、ヌードダンサー上りで食堂をやっていた吉里幸子と同棲し、母子家庭をガタガタにもした。数日後、幸子と両親宛ての榎津の遺書と、一足のクツが見つかり、投身自殺の形跡があったが、偽装と疑った警官が旅館を営む榎津の実家を訪れる。

老父鎮雄、病身の母かよ、妻加津子は泣きながら捜査の協力を誓う。昔、榎津すさんだ少年時代を過ごしており、預けられた神学校で盗みを働き、少年刑務所へ送られていた。その後も犯罪と服役を繰り返しながらも加津子と結婚した。榎津は出所する度に父と加津子との仲を疑い、父に斧を振り上げるなど、一家の地獄は続いた。

浜松に現われた榎津は、大学教授と称して静岡大などに出没、警察をあざ笑うような行為を重ねる。その後も老婆から息子の保釈金をだまし取ったり、知り合った河島老弁護士を殺して金品を奪ったりと犯行を繰り返した。この頃になると警察史上、最大といわれる捜査網が張り張り巡らされていた。

レビュー

原作、実話がぶっ飛んでいるだけに、主人公の破天荒ぶりは凄まじい。それを演じる緒形拳がこれまた凄まじい。僕の中では緒形拳の最高傑作だ。知的な人物を装うシーンや、本性丸出しのシーンでも、一貫してその根底にある悪が滲み出てる感じが素晴らしい。だから芝居だとはいえ、それに騙されていく周囲の人たち(特に女)が、間抜けに見えてしょうがない。でもそんなのも気にならないくらいの緒形拳の存在感がすごい。

そしてもう一人唸ったのが、三國連太郎である。形容する言葉が見つからないくらいの存在感。昔、大学生の時に一度だけ本人とすれ違った経験がある。喫茶店から出てくる三國連太郎は、初めてオーラをまとった人だった。後にも先にもオーラみたいな物を感じたのはこの人だけだった。その時、すでにおじいちゃんだったけど、すれ違って固まってしまったのを覚えている。

 

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