『八つ墓村』

【監督】 市川崑
【出演】 豊川悦司,浅野ゆう子,高橋和也,宅麻伸,岸田今日子,岸部一徳,萬田久子
【公開】 1996年 日 127分
【ジャンル】 サスペンス

あらすじ

昭和24年神戸。天涯孤独の寺田辰弥は、母方の祖父である井川丑松の訪問を受け、自分が岡山と鳥取の県境にある「八つ墓村」という場所で、400年も続いた資産家・田治見要蔵の遺児であることを知らされる。田治見家の使いと共に八つ墓村を訪れた辰弥は、田治見家の後継ぎになるように言われ当惑する。

そんな彼に老婆は、辰弥がこの村に入ると八つ墓明神の祟りがあると予言する。八つ墓明神とはその昔、毛利一族に追われて逃げてきた落武者8人の祟りを恐れた村人が建てた8つの墓の事。残党をかくまっていた村人たちが毛利側の懸賞金に目がくらみ、彼らを裏切り、首謀者であった田治見庄左衛門が後に発狂して村人7人を惨殺して自分も首をはねて自害するというおぞましい事件があった。

そんな中、辰弥の身を案じ依頼された探偵・金田一耕助が村を訪れる。そして血塗られた骨肉の争いが幕を開ける。

レビュー

映画「犬神家の一族」の方が圧倒的に完成度は高い。芸術的な側面からもそれは言えるし、衝撃を受けたのは初代犬神家の方だ。でも完璧すぎるというか、隙がなさ過ぎて。それに比べて豊川悦司が演じる金田一の方が、どこかゆるさがあって、共感が持てた。正直、豊川悦司は理由なく生理的にだめなんだけど、唯一この作品だけは、違和感なく観れた。

そう考えると映画って本当難しい。出来栄えがいいからといって評価されるわけではなく、むしろ僕の場合は、世間的には評価の低い後者が好きだったりするわけで。でもひとつ言えるのは、遊びがないと、緊張の連続というのは疲れてしまう。適度に抜き場所が必要だったりすると思う。ヒッチコックの映画や黒澤明の映画を観ていると、そうした適度な抜き場所がしっかり用意されている。もちろん、巨匠のひとりである市川崑監督の作品にもあるにはあるが、どちらかというと芸術色が強く押し出されているので。もっと変態的な映画を撮って欲しかったなあと思う。時代が時代なので、もし現代に市川監督がいたら面白かっただろうなあと思う。

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