【監督】 チャン・イーモウ
【出演】 コン・リー,リー・パオティエン
【公開】 1990年 中 94分
【受賞】 第43回カンヌ国際映画祭 ルイス・ブニュエル賞受賞
【ジャンル】 人間ドラマ
あらすじ
年老いた染物屋の「楊金山」は、前妻二人をDVで死に追いやったと言われるサディスティックな男だった。そこに金で売られて嫁いできた「菊豆」。楊金山は子が出来ない怒りを菊豆にぶつけ、毎日のようにせっかんを繰り返していた。楊金山は甥の「楊天青」にも冷たく当たっていた。しかし若い2人は互いの欲望と孤独を埋め合うかのようにお互いを求め、やがて恋に落ち、菊豆に子供が生まれる。もちろん、楊天青との子である。楊金山はその事実を知らされ、惨めな生活を送る事になる。そして不慮の事故であっさりと亡くなってしまう。しかし菊豆は決まりにより再婚は許されず、楊天青との同居は許されない。
時が流れ10年後、それでも密会を続けていた2人、そして笑う事のない息子。彼らに待っていたのは因果応報であった。
レビュー
この作品も「紅いコーリャン」同様にキレイな色彩で彩られているが、それとは対象的なストーリー。世界一の人口を持ち、広大な大地を持ちながらも、過去において(いや現代でも)、封建的で閉鎖的な社会の中で生きる人々を映し出している。そうした社会風土から生まれた因果応報が、ストーリーを思わぬ方向へと導いていく。
意外と、現代の私達にも通ずる部分がある。いくら通信手段が発達しても、どんなに移動手段が進歩しても、結局人ひとりが一生のうちに出会う人や関わる人、もしくは住む場所だったりは、限られている(放浪する人を除けば)。そうした狭い世界で生きているのが人間で、実はこの作品で描かれている過去と、大して変わりのない社会に生きている事を、教えてくれる。
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