【監督】 チャン・イーモウ
【出演】 チャン・ツィイー,スン・ホンレイ
【公開】 1999年 中 89分
【受賞】 第50回ベルリン国際映画祭 銀熊賞審査員グランプリ部門
【ジャンル】 恋愛
あらすじ
都会で働いているルオ・ユーシェンが、父の急死の知らせを聞き、故郷の村へ帰ってくる。ユーシェンは部屋に飾られた父と母の新婚当時の写真を見ながら、昔聞いた彼らのなれそめを思い出していた。
町から教師として赴任してきた20歳のルオ・チャンユーと、彼に恋い焦がれる18歳の娘チャオ・ディ。ディはなんとか自分の想いを彼に伝えようとする。そして二人はいつしか恋に落ちていく。しかしそれもつかの間、チャンユーは町に戻る事になり、村の学校から姿を消してしまう。チャンユーが帰ってくるのを、雪の降りしきる冬の道でひたすら待つディ。村と町をつなぐこの一本道は、二人にとって大切な愛をつなぐ特別なものだった。
レビュー
この作品では過去がカラーで描かれ、逆に現代がモノトーンで描かれている。決して色あせる事のない青春時代を表した見事な演出だ。
出会い、別れ、再会、そして担いで歩くシーンと、すべてが同じ1本の道が使われていて、すべてが詰まった1本の道であることを示しているのも、感動的だ。
この作品は、それまでのチャン・イーモウ監督の作りこまれた演出に偏るでもなく、社会派のドキュメンタリータッチとも違う。純愛をテーマにしているだけに、画の作りこみも穏やかで、色彩へのこだわりも強くない。すべてが自然体で作られているように思う。「愛の前にはすべてのものがひれ伏す」みたいな感じ。
この作品はチャン・ツィイーに尽きる。役柄の一途な少女という設定もあいまって、理想の少女像を作り出している。もちろん彼女はここから大スターへの階段を登っていくわけで、大作にも多数出演しているが、彼女の最も輝いている作品であることは間違いない。コン・リーといい、チャン・ツィツーといい、この監督に見出されて映画の世界にやってきた。というよりなんと幸せな者の監督か。
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