【監督】 チャン・イーモウ
【出演】 コン・リー,ジャン・ウェン
【公開】 1987年 中 91分
【受賞】 1988年ベルリン国際映画祭 金熊賞
【ジャンル】 人間ドラマ
人は常に何かに翻弄されている。
あらすじ
1920年代末、中国の山東省。18才になる「九児」は、親子ほど年が離れた しかもハンセン病を煩う造り酒屋の男の元に嫁ぐ事になっていた。その嫁入りの道中、彼女の御輿は強盗に襲われる。強盗が九児をさらおうとした時、強盗を殺し九児を助けたのは御輿かつぎの「余」であった。それから結婚式の3日後、習慣として里帰りする事になった九児は、またしてもコーリャン畑で強盗に襲われる。しかし今度の男は余だった。彼に好意を抱いていた事もあり、二人はコーリャン畑で愛を交わす。
九児が嫁ぎ先に戻ると、夫は行方不明になっており、やがて未亡人として彼女が酒屋を継ぐことになる。順調に家業を行い、コーリャン畑で九児が身篭もった豆官も9才になったある日、日本軍がやってくる。ここから彼らの激動の人生が始まる。
レビュー
映像の美しさ、色彩がとにかくキレイ。特に赤の色が強調的に使われている。冒頭の、花嫁の真っ赤な衣装、真っ赤な神輿、真っ赤な夕陽とコーリャン酒の赤色。そしてもちろん血の赤でもある。
そして畑の緑、夜の青、そして大地の黄色と、対比した色の使い方も実に美しく、映像美だけでも見る価値のある作品だ。もともと監督のチャン・イーモウが撮影監督出身である事も影響していると思う。色彩だけでなく、構図やカメラワークもデビュー作とは思えない完成度。
またこの作品がデビュー作だとは思えない迫力のある演技をしているのが主演のコン・リー。若いながらも、この作品を見直すと、すでにこの時から顔つきには風格が漂っている。洗練されたキレイさではなく、どこか田舎風な健康的なキレイさが魅力。
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