【監督】 デヴィット・フィンチャー
【出演】 ブラッド・ピット,モーガン・フリーマン,グウィネス・パルトロー,ケヴィン・スペイシー
【公開】 1995年 米 127分
【ジャンル】 サスペンス
あらすじ
退職まであと1週間と迫ったベテラン刑事サマセットと、赴任間もない血気盛んな新人刑事ミルズ。ある日一体の死体が発見され、そこから事件は思わぬ展開を見せていく。
その一体目の死体は信じられないほど肥満の男で、彼は食べ物の中に顔を埋めて死んでいた。死因は食べ過ぎによる内臓破裂。しかし手足を拘束された状態であり、食事を強制されていたことが判明し、殺人事件と断定される。
そしてサマセットは死体の胃の中から発見されたプラスチックの破片から、現場の冷蔵庫の裏に、犯人が脂で書いたと思われる「GLUTTONY(暴食)」の文字と、事件の始まりを示唆するメモを発見する。サマセットはこの時に悟る。これはとても一週間後に退職する自分が関われる事件ではないと。つまり事件の継続性を予見していた。
そして2つ目の事件は起こる。次の被害者は強欲な弁護士のグールド。彼は高級オフィスビルの自室で血まみれになって殺されていた。現場には被害者の血で「GREED(強欲)」の文字が発見される。サマセットは、犯人が「七つの大罪」をモチーフにして殺人を続けていると判断する。
こうして殺人は繰り返されていく、「七つの大罪」を完結されるために。
レビュー
とにかく病的なまでに緻密に計算されしつくされた犯行が、恐ろしかった。その動機や目的、また犯人のバッググラウンドもわからぬまま繰り返される殺人。わかっている事は「七つの大罪」を、自らの手で戒めようとしている犯人の動機だけ。そして最後までそれはなぞであり、衝撃のラストを迎える。一体ラストシーンで人は、自分を抑える事ができるのだろうか。見るたびにそう考えさせられるが、僕には引き金を止める事は決してできないと思う。その後のミルズ刑事が法廷でどう裁かれたのかはわからないが、あの瞬間、人は自分を抑える事などできないと思っている、それが決して罪だとしても。倫理観がどんなに進歩して、人間社会を統制したにしても、ある意味で動物の本能的な感情というのは残っているものである。まあそれが「欲」というもので表現されているわけだけど。
みどころ
サマセットが図書館で深夜調べ物をするシーンがある。サマセットはカード遊びに興じている守衛達に言う。「こんなに知識の宝に囲まれているのに、カード遊びかよ」って。人の人生は有限で、本にしても映画にしても、限られた人生の中では触れるものにも限りがあるって事を教えられた。人は一生のうちで何本の映画を観て、何冊の小説を読む事ができるのだろう。
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