町工場のおやじでいたい!
いい言葉だ。本田宗一郎のような生粋の職人気質なのだろうね。
アニメーション映画の巨匠、宮崎駿監督の引退が、スタジオジブリの星野康二社長から発表されました。現在公開中の「風立ちぬ」が最後の作品。現在「風立ちぬ」は第70回ベネチア国際映画祭のコンペ部門に出品されています。
作業量が全盛期の1/5に。
宮崎駿監督、72歳。映画監督であれば、まだまだ作品を作る事はできる年齢なんじゃないかと思っていました。ただ、先日もNHKで放送されていた、映画「風立ちぬ」制作中の宮崎駿監督のドキュメンタリー「トップランナー」を見る限り、相当に体力が消耗する作業なので、体力的には厳しいようでした。ないしろ作業量が全盛期の1/5まで落ちているという事だから。
モチベーションを維持するのも大変だろう。特に宮崎駿監督は戦争が大嫌いだったり、自然崇拝者だったり、その辺の考え方がすごくシビアで、しかも感受性が相当豊かな人。まして宮崎駿監督自身が制作する映画は年々影響力が増していて、責任感も半端ではないと。今回の「風立ちぬ」でも東北大震災があった後で、果たして関東大震災を描いてしまっていいものか、その描く理由を必死に探している様子が、「トップランナー」でも描かれていました。
トップランナーの中で宮崎駿監督は、「現在の世の中は、映画の中の戦争前後のような世界だ」と言っていました。混沌とした時代がまたやって来たと。相変わらず先行きの見えない日本経済や、世界経済。自由経済は敗れ去り、ヨーロッパや先進諸国では失業の嵐は収まらない。同盟国はシリアへの軍事攻撃を開始しようとしており、エジプトでは革命が繰り返され多くの命が失われている。ニュージーランドでは今年になってまた大きな地震に見舞われ、不安の中で暮らす人達がいる。日本も、東北大震災から復興を目指していますが、原子炉からの海水への汚染はまだまだ続いています。
僕が思うのは、そうした混沌とした世の中から新しいものって生まれるんじゃないかと思う。だから僕はまた作りたくなったら作ればいいと思うのです。もちろん体力と相談しつつ。ただやはり宮崎アニメで育った世代としては寂しいかぎりです。子供の頃から映画の中で多くを学ばせてもらったので。これから活かしていかないとダメだよね。
「人は土から離れて生きてはいけない。」
宮崎駿監督作品
1984年 「風の谷のナウシカ」
1986年 「天空の城ラピュタ」
1988年 「となりのトトロ」
1989年 「魔女の宅急便」
1992年 「紅の豚」
1997年 「もののけ姫」
2001年 「千と千尋の神隠し」
2004年 「ハウルの動く城」
2008年 「崖の上のポニョ」
2013年 「風立ちぬ」
主な受賞歴
2003年 アカデミー賞長編アニメーション賞
2005年 ベネチア国際映画祭栄誉金獅子賞
2012年 文化功労者



