『雨月物語』

【監督】 溝口健二
【出演】 京マチ子,水戸光子,田中絹代
【公開】 1953年 日 96分
【受賞】 ヴェネツィア国際映画祭銀獅子賞
【ジャンル】 人間ドラマ

予告編

あらすじ

琵琶湖周辺で羽柴、柴田が戦火を散らしている時代。琵琶湖北岸にある村で暮らす貧農の源十郎は、畑の世話をする傍らで焼物を作り、町で売っていた。飛ぶように売れる焼き物に、人が変わったように没頭する夫を尻目に、食べていけるだけの稼ぎがあればそれでいいと思っている妻。一方、侍に憧れている義弟の藤兵衛も、侍になるための資金稼ぎに焼き物を手伝っていた。

源十郎は戦が続くうちに、さらに大儲けをしようと町へ売り込む。資金のたまった藤兵衛は侍になるべく、妻の制止を押し切って、軍に加わった。探し疲れた藤兵衛の妻は、兵の集団に捕まり乱暴されてしまう。

一方、源十郎は、若狭という女の屋敷へ焼き物を届けに行くが、そこで織田信長に滅ぼされた朽木氏の生き残りであるという若狭に惹かれ、妻を捨て源十郎はこの家に居ついてしまう。しかし彼は知らず知らずに呪われてしまっていた。その頃、残された源十郎の妻と子供は、落武者勢に見つかり殺されてしまっていた。

藤兵衛は戦に敗れ切腹した敵大将の首を拾い、手柄を立てていた。馬に乗り家来を連れて村へと凱旋しようとする途中、立ち寄った宿で遊女となってしまっていた妻に出会い、許しを乞うのだった。

ふと目を覚ました源十郎は、朽木家の屋敷跡だという野原の中で目を覚ます。すべてを失った源十郎は村へと帰っていくが、家々は荒らされ、家族の姿もなかった。

レビュー

ストレートなメッセージが伝わってきて胸が痛い。夢を見て、欲望のままに突き進む男達と、それに翻弄されてしまう妻達。一概に男達が悪いとも言い切れない。人の欲望を奪ってしまったら、人は生きてはいけない。かといって、度が過ぎる欲望は破滅を招く。その加減を調整するのは難しい。もちろん、自分の夢や欲望の前に家族への責任があるが、正直そういった事を気にし過ぎれば、何もできなくなってしまう。人の人生とはなんと難しいものだろうか。

 

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