【監督】 チャン・イーモウ
【出演】 コン・リー,ホー・ツァイフェイ
【公開】 1991年 中・香港・台湾 125分
【受賞】 第44回ヴェネツィア国際映画祭 銀獅子賞
【ジャンル】 人間ドラマ
閉鎖さえれた環境から、自分を解き放つ事。
あらすじ
1920年代の中国、 19歳の「頌蓮(スンリェン)」は父親が亡くなった事で実家が没落し、「陳佐千」という富豪の第四夫人として嫁ぐことになった。陳佐千の大邸宅に嫁入りした頌蓮は、ぜいたくなもてなしを受けた。夜になると彼女の家の前に、赤い提灯がともされるが、それはその家に陳佐千が泊まるという印だった。夫人の家の前に赤い提灯が灯されると、その夫人は足マッサージを受け、食事の決定権が与えられるのだった。この赤い提灯を巡って女達の陰険な戦いが繰り広げられる。
頌蓮は嫁入り当初から陳佐千への愛がない事に少しも変わりはないが、いつの間にか他の女達への対抗心からか、陳佐千の愛情を独り占めしようと変貌していく。
レビュー
大豪邸ではあるが、ひとつの家の中で巻き起こる女の陰険な戦いを題材にした物語。一夫多妻の社会的な背景も踏まえ、封建的な家の中での出来事、女の憎悪や嫉妬をストレートに表現した作品だ。もともと原色をビビッドに使う監督だが、この作品でもその色使いが特徴的に表現されている。特に青い背景に映える赤の提灯の表現はとてもきれいだ。
この作品では女性の本質的な部分を、少しは理解できんじゃないかと思う。主人公の女性にしても、主人を嫌悪しながらもなぜか他の夫人に対して、なぜ対抗心を燃やすのか。夫人達の目的のためなら手段を選ばない非情な部分とか。
ラストシーンで、シンメトリーな中庭から、建物の中へとズームアップしていくシーンが、素晴らしくキレイだった。特にこの作品ではシンメトリーな構図が頻繁に用いられていて、とてもキレイ。そのシンメトリーが示す、形式ばった封建的な社会を示しているように見える。
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