【監督】 コーエン兄弟
【出演】 ジョン・タトゥーロ,ジョン・グッドマン,ジュディ・デイヴィス
【公開】 1991年 米 116分
【受賞】 1991年カンヌ国際映画祭 パルム・ドール,監督賞,男優賞
【ジャンル】 ホラー
あらすじ
脚本家であるバートンは、執筆のためにあるホテルに逗留することになる。しかし全く進まない脚本。隣の部屋からは大笑いが聞こえてきて全く集中できない。しかしその隣に住んでいる保険外交員だというチャーリーと、人見知りなバートンは友達になる。
全くもって進まない脚本。彼は、色々な人に相談して周る事にするが、しかしみんな他人事で、しかも最終的に相談しようとした憧れの作家は、酒びたりでそれどころではない状態だったり、踏んだり蹴ったりのバートン。あげくホテルに帰ってからも不運の連続。隣の部屋のチャーリーが、とんでもない事をやらかす始末。
とにかく、くせのある登場人物ばかり。中でも主人公が一番イカレているかもしれない。人見知りで異常に神経質で女に弱い、根本的に精神薄弱でオタク気質の主人公。ホテルの壁紙が剥がれだすのが異常に気になったり、夢なのか現実なのか区別が付かなくなっていく。
レビュー
まるでジャン=ピエール・ジュネ監督(「アメリ」・「デリカテッセン」などの監督)の作品のような、異常性のある作風。主人公のバートンの精神薄弱体質が、まわりに波及しているのか、または異常な主人公だからか、周りにいる人物は異常な人ばかり。とにかく、癖のある登場人物ばかりで、誰が一体まともなのかわからなくなる。というより、まともなキャラクターなんか誰一人登場していないのかも。この後も監督のコーエン兄弟は、こうした異常性のある映画と、正当な映画を作り分けていく事になるんだけど、その第一作目。
でも人間を極端に表現すると、基本的にはこの映画のようなキャラクターになるのかもね。みんなそれぞれ他人からみれば異常だと思われる部分ってもってたりするもんね。そう考えると、単純に人間をデフォルメすれば、この映画のような異常なキャラクター達に分類されるのかもねと、思ったりする。
でもこの映画がカンヌ映画祭で最高賞をもらうんだから、ヨーロッパの映画祭って、本当革新的で理解があるなあと関心する。日本の例えば、北野武の映画が国内ではあまり評価されなかったり人気なかったりするのに、ヨーロッパでは高く評価されたり。
映画全編を通して、セピアカラー的な色合いの表現をしている。それが、ホテルの暑苦しさとか、隣人のおデブなチャーリーの油っぽい体を、印象的に映し出してる。というかちょっとグロイ感じ。映画好きな人が好みそうな短館系の映画。でも内容的には誰が観ても楽しめるのでオススメ。僕のお気に入りは隣の部屋に住んでいるチャーリー。それも白のランニングシャツ一枚で、かなり脂っこいキャラな所がうける。
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