『グラン・ブルー』

2013/10/27

【監督】　リュック・ベッソン
【出演】　ロザンナ・アークエット、ジャン＝マルク・バール、ジャン・レノ
【公開】　1988年　仏・伊　132分
【受賞】　セザール賞音楽賞
【ジャンル】　青春映画
予告編

story

伝説のダイバー、ジャック・マイヨールを描いた作品。
シチリア島で開催されるフリーダイビング競技会。ここでフリーダイビングの世界記録に挑むフリーダイバーのエンゾ、そしてジャック。二人は世界記録を競うライバルであるが、一方で友情で結ばれている。そしてジャックに恋するジョアンナ。海と海辺を舞台に、フリーダイビングの戦いと、友情、そして恋を描いた作品。

review

気持ちがいい。海と、海辺と、そしてきれいな人の心。みずみずしい世界観が描かれていて、まさに「心が洗われる」というのは、この映画を観た後の事だ。

ジャックはとにかく海とイルカを愛している。それは子供がそのまま大人になったように。恋人であるジョアンナでさえ、引き止める事はできない程である。夢を追いかける男のロマンとしてみれば、かっこいいかもしれないが、一方でこの作品では、海は死と隣りあわせである事が強烈に語られている。それでも海を愛するジャック。ロマンというよりも、癒しを海に求めている節があり、ある意味ではマザコン的な解釈もできる、母なる海への異常な執着として。

なによりも海の美しさがすべてだ。海上でも海の中でも、昼でも夕でも、月明かりの夜の黒い海でも、とにかく海をきれいに映し出され、それが作品すべてのディテールを生み出している。

印象に残っている表現としては、部屋の中で天井一面が海になってしまうシーン。青の悲しげな色、水の波打つ漂い感じが、ジャックの感情をうまく表している。

音楽担当は多くのリュック・ベッソン監督作品を担当しているエリック・セラ。「レオン」の音楽と共に大好きな音楽だ。サウンドトラック「The Big Blue: Original Motion Picture Soundtrack」