『僕の村は戦場だった』

2013/07/25

【監督】　アンドレイ・タルコフスキー
【出演】　ニコライ・ブルリャーエフ、ワレンチン・ズブコフ
【公開】　1962年　露　95分
【受賞】　1962年ヴェネツィア国際映画祭サン・マルコ金獅子賞受賞
【ジャンル】　戦争映画

あらすじ

主人公は、第二次世界大戦下のソビエトで、ドイツ軍に両親と妹を殺された12歳の少年イワン。彼は、パルチザン（諜報活動をする組織）に入って戦った後、小さな体を生かしてソビエト軍の偵察任務に協力している。少年に危険な任務を続けさせることは出来ないとして、イワンは学校へ入ることを命じるが、イワンはそれを拒む。「戦争中に休むなんて役立たずだけだ」と言って、イワンは危険な任務へと向かう。そして終戦を迎えるのだが。。

感想・見所

２０歳ぐらいで観た映画だったが、衝撃だったのは、戦時中に諜報部員として活動する少年がいるという事だった。この少年は家族を殺され、ナチスへの復讐の思いがあって、諜報活動に参加していたが、この歳で自我を持ち、自分の意思で行動している主人公に、自分を重ねた時に自分が恥ずかしくなった。目的を持って、そのために生きている事に、その少年が輝いて見えた。戦時中であるし、ましてや復讐心にあふれた主人公である。どこか影を持って描かれているが、その姿は当時の僕にとってはまぶしかった。

水辺をかけるシーンは圧巻だった。それまでの物語をすべて帳消しにするような、明るく輝く世界が広がっていた。そしてどこまでもかけてゆく主人公の少年。「あなたは今、一生懸命に走っているのか」と問いかけてくる。