そもそも企業とはつぶれるもの、なくなるもの。

horizon
躍進するソフトバンクの総帥、孫正義氏の掲げる「300年計画」なるものに違和感を感じた。企業が300年続くための仕組み作りをしているそうだが、そんなのありえないという意見を書いてみようと思う。ちなみに僕は孫正義氏の大ファンだし、ソフトバンクの躍進もすごいと思う。今度のスプリント・ネクステル社の買収によるアメリカ進出もワクワクさせられるし、期待したい。

なぜ300年計画に違和感があるかというと、そもそも企業とはつぶれるものだと思っているからだ。その理由は2つある。

革命家マインドを継承する事の難しさ

そもそも企業とはベンチャー企業としてスタートし、それまで世の中になかった価値を提案し、それが受け入れられて企業として成長する。その過程においては、創業者の熱意が圧倒的に重要になる。大袈裟に言えば創業者とは革命家であり、革命家とは少々の犠牲を払ってでも目的を達成する、圧倒的なパワーを持っている。古い価値観を壊し、新しい価値を提案する。そうした流れが世の中にはあり、その繰り返しで世の中は進歩してきた。分かりやすい例がアップルのスティーヴ・ジョブズ。パーソナルコンピュータを世に広め、iPhoneによって電話のあり方を変えた。

この過程に置いて創業者の役割は大きい。夢を描き果敢に実行し、何が何でも目的を達成しようとするマインド。これは他の人にはない「革命家」だけが持っているマインドだ。これを他の社員が受け継ぐのは難しい。もちろん革命家と共に歩んできた人は、このマインドに近いものを持ち合わせているかもしれない。しかし革命家に触れられなかった新人はどうだろうか。マインドを継承するのは非常に難しい。

以前ある自動車メーカーを取材した時に、取締役からは様々なエピソードと共に亡き創業者のマインドを感じる事ができたが、創業者に触れ合う機会のなかった下の社員からは、そうしたマインドは感じられなかった、という事があった。やはり実際に触れ合っているのと、そうでない場合には大きな違いが生じている。つまり創業者のマインドを継承していくのは難しいという事だ。これにより士気は絶対的に低下する。

世の中に必要な新陳代謝

企業が「つぶれる」理由として、時代の流れというのがある。世の中は常に新陳代謝を行っている。古い価値観が壊され、新しい価値が生み出されている。そうした新しい価値を生み出すのは、いつの時代も新しい命からだ。長く続く企業にはどうしても古い価値観や、過去の成功が残ってしまう。これは人が入れ替わったとしても、逃れられない染み付いた文化みたいなものだ。逆に新しい会社や人は、これまでの価値観にとらわれない考え方で挑戦するので、しがらみもなく自由に発想するので、古い企業は思わぬ部分から攻め込まれてしまう。こうして敗れ去る(まるで戦略論の5forceみたいな話になっているが)。

こうして企業はつぶれる運命にある。というようりむしろつぶれて、生まれ変わった方がいいと思う。新しい者に道を譲るように。

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